◆自宅イントラネット化計画

自宅でサーバを立てて何をするのか?

その問いに答えるものとして、
インターネットサーバーを使用した代表的なモデルケースの一つとして作成した
以下の画像を見ていただきたいと思います。

自宅ネットワーク構成モデルケース

(インターネット空間)

-----------------------プロパイダ------------------------
||
 プロバイダのの回線→||
 ←プロバイダへの回線
||
+----------+
| 
モデム  |
+----------+
|
+------------------------+
| 
自鯖(インターネットサーバー) |
+------------------------+
|
|
+-----------■-----------+
|        HUB        |
+--------------+        +--------------+
| 
Windowsマシン  |         |   Windowsマシン  |
+--------------+        +--------------+
クライアント1                  クライアント2


「モデム」とは、この場合、基本的にプロバイダ側から提供(レンタル)されています。
ケーブルテレビの場合はケーブルモデム、ADSLの場合は、ADSLモデムの事です。


この図とともに知っておかねばならない事はというと、

1:自鯖(インターネットサーバー)は、LANポート(IPアドレス)を2つ持っている。
 【インターネット(WAN)側であるグローバルIP/自宅ネットワーク側(LAN)であるプライベートIP)】

2:クライアントであるWindowsマシンはLAN(IPアドレス)を1つしかもっていない。

3:自鯖のLANポートの一つは「モデム」に、もう一つは「HUB(ハブ)」にLANケーブルで接続されている。

4:クライアントマシン2台と、この自鯖はHUBによって接続され、小規模ネットワークを形成している。

となります。
まずこの事を覚えておいてください。


次から、この4つの項目に関して、詳しい解説をしていきたいと思います。


◆1:自鯖はLANポート(IPアドレス)が2つ以上必要

これは何を説明するにしても、まず1番目に知っておかないといけないことです


自鯖は、自分自身がインターネット(WAN…World Area Network)に接続できる事はもちろんのこと、
自宅ネットワーク(LAN…Local Area Network)側から送られてくるデータを
WAN側に転送する機能を持っていないと、
クライアントマシンであるWindowsマシン2台はインターネットに接続することが不可能になります。


このため、この自鯖には、このデータ転送機能を持たせないといけません。
これを「IPフォワーディング機能」とも言うのですが、
この機能を持ったサーバーの事を
「ルーター」もしくは「ゲートウェイ」と呼びます。

そして「データ転送(IPフォワーディング)」のための技術を
NAT(Network Address Translation)」と言ったり、「IPマスカレード」と言ったりします。

厳密にはOSI参照モデルの第3層である「ネットワーク層」まででデータを判断するのが「ルーター」。
それ以上の上の階層のデータで判断するのが「ゲートウェイ」ですが、
こんな専門的なことは知らなくても困る事は無いと思います。



しかし一般的には、ゲートウェイ機能を持ったサーバーであっても「ルーター」と呼ばれています。
(ブロードバンドルーターってありますよね。あれは実際にはルーター以上の機能を持ってます)


クライアントPCでIPの設定をする場合、「ディフォルトゲートウェイ」という項目もあると思います。
この時「ディフォルトゲートウェイ」のIPに指定する(もしくは自動的に指定される)のが、
この「ルーター(ゲートウェイ)機能を持ったサーバーのIPアドレス」になります。

こういったクライアント側から見れば、ルーターとは「インターネットへの出入口」と言えるかもしれません。


IPアドレスに関しては前に説明したとおりです。
グローバルIPとプライベートIPに関してきちんと理解しておいてください。



IPアドレスを持っているマシンでないと、インターネットに接続出来ません。

それはローカルなネットワーク側のマシン(クライアント)であっても同様です。


自鯖には2つの異なる空間のIPアドレスを持たせなければならないため、
LANポートが2つ必要になります。


◆2:クライアントはLANポート(IPアドレス)が1つあればいい

1で説明したような理由により、
データー転送といった難しい事はサーバー(ルーター)に任せておけばいいわけであって、
クライアントには一つのLANポート(IPアドレス)があればいい、という事になります。

でも、それならどうやってクライアント2台とサーバーとを物理的に繋げるのか?

といった疑問が出てくると思います。

ならサーバーにインターネット側のLANポートの他に、さらにLANカードを2枚増やす?

それでも間違いではありません。
でも、クライアントが増える度にLANカードをサーバーに増設する?

もっとスマートに解決する方法はあります。


◆3:HUB(ハブ)を使用する

自鯖からは2つのLANポートがあり、LANケーブルを介して、一つはモデムに繋がっていると思います。

サーバーを使用せずに直接インターネットとしていた方であれば、
すでに自分のPCとモデムをLANケーブルで接続して使用していると思います。

自分のPCを自鯖に置き換えた場合、自鯖とモデムとがまずLANケーブルで接続されます。

自鯖にもう一つある自宅ネットワーク用のLANポート。
2台存在するクライアントのLANポート。

これを物理的に繋げるのに使用するのが「HUB(ハブ)」と呼ばれる集線装置です。

自宅でサーバーを建てようと考えている方は、HUBに関しての基本的な知識は持ち合わせているはずです。
HUBの事も知らないようであれば、まずLANの基本的な知識を勉強してからの方が賢明と思われます。


それでも注意点が一つ。
HUBには大きく「リピータハブ」と「スイッチングハブ」が存在します。

出来たらスイッチングHUBを用意する方が幸せになれると思います。
この2つにどういった違いがあるかは、各自調べてみてください。


◆4:自宅の小規模ネットワーク

こうして、自鯖で2つ…「WAN側」「LAN側」に分かれるネットワークが構築されました。

WAN側はモデムに繋げてインターネット側へ出るので、特に注意する事はありません。

しかし、LAN側は、上記のモデルケースの場合、
3台のPC(自鯖とクライアント2台)によって構成されています。

これはもう立派なネットワークです。
たとえ3台であってもきちんとインターネット上と同じ取り決めに従って動きます。
(動くようにします。そうでないとインターネットに接続できません)

プライベートなネットワークを内部に持ちながら、
ルーターを介してそれらのクライアントがインターネットに接続できる。
こういったネットワークを「イントラネット」と呼ぶ事があります。

今までモデムからPCに直接つなげていたのであれば、「DHCP」という機能によって、
プロバイダから自動的に情報を受け取って、ネットワークの設定などほとんどしないまま
インターネットに接続していたと思います。

自鯖を設置すると、自鯖の管理に加えて、
このネットワークも自分で管理していかなければならなくなります。

それには物理的な内容…LANケーブルやHUBといったものの知識、設置等
そして技術的な内容…IPアドレスやゲートウェイ、ネームサーバーの知識、設定等が必要となってきます。


◆インターネットサーバー

ここまで読んで、何か忘れていると思った事はありませんか?

…そう、「インターネットサーバー」に関する説明を一切していないのです。

自鯖に「ルーター(ゲートウェイとも言う)」としての機能を持たせないといけないという事は説明しました。
しかし、「インターネットサーバー」に関して何もまだ説明していません。


では、何を持って「インターネットサーバー」と言うのでしょうか?

「サーバー」とは「クライアントに対して、ある一定の情報を発信できる」マシンの事です。
この場合の「クライアント」とは、インターネットを介した向こう側にいる、
基本的に他人が操作しているマシンの事です。

「インターネットサーバー」とは
「WWW(World Wide Web)サーバー」機能を持っていたり「メールサーバー」の機能を持っていたり…
インターネットに対して、自分から何らかの情報を発信できるサーバーの事です。

「ルーター」は「ルーター」であって、「インターネットサーバー」は「インターネットサーバー」です。
混合してしまいがちですが、これはまったく別物です。

個人じゃなく、ちゃんとした企業…たとえばプロバイダは、
通常「ルーター」と「インターネットサーバー」を別々のマシンとして運用しています。
その場合、そのどちらにもグローバルIPアドレスが必要になってきます。

しかし、個人に配布されているのは基本的に一つのグローバルIPのみです。

そこで必然的に、自鯖には「クライアントPCからインターネットに接続させる機能」と
「Webページ等インターネットサービスを提供する機能」…
すなわち「ルーター」と「インターネットサーバー」の2つの機能を持たせる事になります。


そのため、自鯖で何をするのか、という最初の問いに答えるであれば、
自鯖で「ルーター」と「インターネットサーバー」を動作させるという事になります。


余談ですが「ブロードバンドルーター」とは、
ここにおける「ルーター」の機能+αしたものを一つの機器としたものであると言えます。
「自鯖」を「ブロードバンドルーター」に置き換えてもネットワークは動作します。
しかしそこに「インターネットサーバー」としての機能は存在しません。


ここまで読んで、自分には難しいと思いましたか?
それとも、すこし緊張してきましたか?


しかし、非常にワクワクすることだと思います。


これからは、具体的にサーバー用として用意したPCを、
ルーターとして、インターネットサーバーとして作り上げていきます。


では、進みましょう!


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